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キューティブロンドに憧れて... in New York

アメリカ生活の便利情報、趣味のミュージカル・映画観賞の記録を綴ります。

現代社会を反映したディズニー『美女と野獣』実写版(ネタバレあり)

早速アメリカで公開された『Beauty and the Beast』を観て参りました。主演のエマ・ワトソンは、外見と性格とともに、ヒロインのベルにぴったりでした。『美女と野獣』は、私の好きなディズニーアニメの上位に入っている作品です。音楽も世界観も、子供の頃の記憶のままに、丁寧に描写されていて嬉しかったです。

それだけ思い入れが深い作品だけに、アニメと実写版の相違点が気になりました。アニメ版の DVDを見返しながら、先日劇場で見た実写版の感想を交えて、比較ポイントを綴りたいと思います。なお、激しくネタバレが含まれますので、好まれない方は申し訳ございません。

ベルの母親の真実

アニメ版では、ベルの母のエピソードについて語られることはありませんでした。なんとその秘密が実写版で明らかになります。王子が、魔女によって野獣に変えられた際に、何でも見ることができる鏡と、想像した場所に行くことができる本(ドラえもんでいう「どこでもドア」です)を、野獣に手渡しました。そのどこでも本を使い、ベルと野獣は、ベルの出生時のパリに飛びます。

パリでは、小さな屋根裏の部屋に到着します。ベルの母親はベッドで苦しそうにしています。その傍には、カラスのくちばしのような形をしたマスクをつけている男性がいます。なんとベルの母親は、伝染病ペストにかかっておりました。奇妙なマスクの正体はペスト医師でした。当時ペストは致死率の高い伝染病で、ベルの母親が治る可能性はほとんどなかったのでしょう。ベルの父モリースは、泣く泣くベルを抱え、パリを抜け出しました。

敢えて実写版でベルの母のストーリーを入れたのは、シングルペアレンツの子供を配慮した演出だと思いました。両親は愛し合っていたけれども、不可抗力によって離れて暮らすことになったという設定です。正直ペスト医師の存在を知らなかったので、このシーンは馴染み辛いものでしたが、ディズニーらしいメッセージだと思いました。

ベルはより自立した女性に

アニメ版でもベルは、父を助けるために自ら森の中に飛び込んだり、独立した女性でした。父が野獣の城に捕らえられていることが判明した際には、迷わず身代わりとして自分を野獣に差し出します。

そのシーンが実写版では、野獣は父の代わりにベルを捕えることを拒みます。その野獣を出し抜いて自分が檻の中に入ってしまいます。また、身代わりになった後、洋服で長い綱を作り、城の窓から抜け出そうとしたり、アニメより更に自立したヒロイン像に描かれています。

ベルと野獣の舞踏会シーンの後、ベルは黄色いドレスを着たまま、父を助けるために馬にまたがって村に帰ります。プリンセスの格好をて勇ましく父の元に帰る構図も、自立した女性を表していると思いました。

ガストンは非常な独裁者

ベルに惹かれ、プロポーズをしまくっているガストン。力持ちで、ハンサムな彼は、村では英雄的存在です。彼の言うことを村の人は信じてしまいます。アニメ版でも横柄な性格ですが、実写版では、ベルの父モリースへの態度がひどすぎます。

モリースが野獣の城から解放され、ガストンにベルを助けるよう頼み、森へ向かいます。しかし野獣の城への道が閉ざされており、ベルの元へたどり着くことができません。次第に苛立ちが募ったガストンは、ベルとの結婚を許可しないモリースを、狼の潜む危険な森の木に紐でくくりつけ、置き去りにしてしまいます。

この際にガストンの子分のフルウもいて、彼はそんなことはしてはいけないとガストンに言うものの、ガストンの高圧的な態度と自分も同じ目にあうのではないかと恐怖心で、見て見ぬ振りをしてしまいます。ここではいじめの問題を伝えたいのではないかと思いました。

その他トリビア

  • ガストンの子分フルウは、『アナと雪の女王』のオラフの声優さんのジョシュ・ギャッドが演じています。英語版でご覧になる際はご注目ください。
  • 舞踏会のシーンでは、中世のヨーロッパの貴族社会にはいなかったはずの、黒人の貴族がいらっしゃいます。人種差別に対するメッセージだと思いました。個人的には、ファンタジーだとしても、時代背景には忠実であって欲しいので、違和感がありました。
  • ガストンの登場シーンは、アニメでは狩をしていたが、実写版では高原で乗馬する姿になっています。動物愛護に配慮してのことかと思いました。
  • 野獣はツンデレからツンツンデレに。アニメでは、城の使用人達に頼りながらベルを心を通わせるかわいい王子でしたが、実写版では、よりプライドが高く扱いづらそうな王子様になっていました。

感想

アニメ版とは一味違う、現代的な『美女と野獣』。新曲も多数盛り込まれ、他にもストーリーの変更点が細かく挟まれ、あっという間の2時間半でした。制作側が現代社会に伝えたいメッセージが感じ取られ、胸にささるものがありました。日本では2017年4月公開ですね。より多くの方に観ていただきたい作品だと思います。

このブログの情報は全て個人の見解です。